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久月は撮影OK雛飾り

小山正見

都政新報の「暮らしを楽しむ俳句フォト」の掲載は週に一回。毎週火曜日だ。東京新聞の方は月に一度だから余裕があるが、毎週というのは結構忙しい。
カレンダーを見たら3月第1週の火曜日は3日、ひな祭りの日だと気づいた。
「だったら雛人形だ」
雛人形と言えば久月である。迷わず、浅草橋に向かった。
浅草通りに面した本店には「人形問屋久月総本店」とある。
2月も半ばを過ぎだ。客はまばらだが、赤ちゃんを抱いているお母さんもいる。
店内は雛人形一色だ。しかし、七段飾りなどの本格的なものは、申し訳程度に置いてあるだけだ。
売れ筋は親王飾りなど、男雛と女雛が並んでいるシンプルな雛である。段の多いものもほとんど全てがミニサイズ。東京の住宅事情を考えれば当然だろう。ケースに入ったものもある。これだったら出したりしまったりしなくて済む。
それにしても顔付きが皆違う。一つ一つ見比べて歩いた。人形師の顔写真が添えられていた。
雛人形には、「撮影OK」の印が付いていた。SNSで拡散してくれれば販路も広がるという計算もあるのだろう。
我が家にも娘が1人いて、祖母が木目込の親王雛をプレゼントしてくれた。
あの人形も久月だったのだろうか。
妻がそれを毎年飾った。のどかな思い出だ。小さな手で人形を掴もうとしていた娘の顔を思い出す。
雛は本人の身代わりとして災難を引き受けてくれるそうだ。あの雛もどこかで娘を守ってくれているのだろうか。
そう考えるとたまには飾らないといけないのかもしれない。