俳句フォトエッセイ2025.05.08春宵の古き館の詩人バー小山正見これは、歴史的な建造物だと思う。これだけ立派な階段は見たことがない。場所は大田区雪谷にある尚徳学園だ。尚徳学園について説明することはなかなか難しいが、前身は「東京実業女学校」だった。現在は教育機関としての役割を終え、一部は老人介護施設などとして活用されている。http://shoutokugakuen.com/戦前に建てられた建物は、老朽化が進んでいるが、学校建築として貴重な遺構だ。この尚徳学園の理事長が、詩人の服部剛さんだ。「我が家に天使がやってきた」の著者である。最近剛さんは、尚徳学園の一室を使って「詩人バー」なる試みを始めた。語らい、ポエトリーリーディングで互いの作品を読み合い、聴き合う。ぼくは、この日「俳句を教えてほしい」と頼まれ、訪れた。持ち時間は1時間弱。この日の参加者は6人。詩心は余りあるほど持ち合わせているが、俳句は小学校以来詠んだことがないという方がほとんどだ。ちょっと考えて、「人生論俳句」に挑戦することにした。コツさえ分かれば、誰でも俳句っぽく見える作品ができるというトリックである。基本は上五に「人生は」と置き、それに続く七音を考える。最後に下五に合いそうな季語を選んでつければ完成だ。出来た作品を列挙してみる。人生は天ぷら揚げて月見酒これは服部剛さんの作品。豪快であっけらかんとした楽しい人柄がみえてくる。人生はこんなもんかな散る桜人生は薄味が良しあさり汁人生は行ったり来たり春の夢人生はサンダルつっかけつばくらめ人生も今日のおかずも春支度人生を始めたばかり風光る最後の句は一緒に参加されたお子さんを詠んだ作品だ。それぞれの人生への向かい方が見えて面白かった。その後、通常の詩人バーに移行。美味しい天ぷらをいただき、夜10時頃まで朗読を聴き、お喋りを楽しんだ。服部さんは詩人としても才能があるが、人を惹きつけ楽しませる才能も尋常ではない。
これは、歴史的な建造物だと思う。これだけ立派な階段は見たことがない。
場所は大田区雪谷にある尚徳学園だ。
尚徳学園について説明することはなかなか難しいが、前身は「東京実業女学校」だった。現在は教育機関としての役割を終え、一部は老人介護施設などとして活用されている。
http://shoutokugakuen.com/
戦前に建てられた建物は、老朽化が進んでいるが、学校建築として貴重な遺構だ。
この尚徳学園の理事長が、詩人の服部剛さんだ。「我が家に天使がやってきた」の著者である。
最近剛さんは、尚徳学園の一室を使って「詩人バー」なる試みを始めた。
語らい、ポエトリーリーディングで互いの作品を読み合い、聴き合う。
ぼくは、この日「俳句を教えてほしい」と頼まれ、訪れた。
持ち時間は1時間弱。この日の参加者は6人。詩心は余りあるほど持ち合わせているが、俳句は小学校以来詠んだことがないという方がほとんどだ。
ちょっと考えて、「人生論俳句」に挑戦することにした。コツさえ分かれば、誰でも俳句っぽく見える作品ができるというトリックである。
基本は上五に「人生は」と置き、それに続く七音を考える。最後に下五に合いそうな季語を選んでつければ完成だ。
出来た作品を列挙してみる。
人生は天ぷら揚げて月見酒
これは服部剛さんの作品。豪快であっけらかんとした楽しい人柄がみえてくる。
人生はこんなもんかな散る桜
人生は薄味が良しあさり汁
人生は行ったり来たり春の夢
人生はサンダルつっかけつばくらめ
人生も今日のおかずも春支度
人生を始めたばかり風光る
最後の句は一緒に参加されたお子さんを詠んだ作品だ。
それぞれの人生への向かい方が見えて面白かった。
その後、通常の詩人バーに移行。美味しい天ぷらをいただき、夜10時頃まで朗読を聴き、お喋りを楽しんだ。
服部さんは詩人としても才能があるが、人を惹きつけ楽しませる才能も尋常ではない。