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木漏れ日に誘(いざな)われたる小春かな

小山正見

「小春」は冬の季語である。「春になる前触れ」と捉えている方もいるが、それは違う。冬になりたて、つまり今頃の季語であ。「小六月」も同様な季語だ。
写真だけ見ると武蔵野の雰囲気だが、実は江東区だ。清澄庭園の隣の清澄公園である。
明治小学校の5年生で俳句の授業をして、午後の句会のために八名川小学校に向かう途中だ。
現職時代、この公園はよく通った。この公園を抜けると八名川小学校から門前仲町まで歩いて約20分。更に当時住んでいた塩浜の我が家まで20分。
圧巻は、いちょうの散る時期だ。永遠に続くかと思うほどのいちょうの舞い散る様子には思わず足を止めてしまう。「いちょう散る」が特別の季語になっている意味がわかるような気がする。
江東区は、昔は工場の街、そして今はマンションの街のように思われている。確かに人口は約54万。豊洲の高層マンション群は有名だし、区内各所にマンションが続々とできている。毎年一万人近く人口が増えているのだ。
都心に近く、便利で地価も比較的安かったからだ。
しかし、江東区はコンクリートばかりの街でない。
大きな公園が各所にある。夢の島公園、木場公園、亀戸中央公園、猿江恩賜公園、清澄公園、辰巳緑道公園etc.
令和4年度の緑被率は約21%で23区中7位に順位を上げ、それに水面などの面積を加えたみどり率は37.5%で都内1位である。
更に、仙台堀川や大横川、古石場川などの運河が埋め立てられ、親水公園として整備されているのも大きい。
東陽町から亀戸までほとんど公園の中だけを通って行けるのだから驚きだ。
ぼくは、江東区に居を構えたのは8年ほどに過ぎないが、できればもっと長く住んでいたかった。