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秋うらら認知症カフェてふ居場所

小山正見

先日、認知症の人と家族の会の会合に参加したという話を書いた。
実は、妻が発症した当時、今から10年以上前のことだが、ぼくは必死になって「家族の会」を探した。だが、どうしたわけか見つからなかった。
そうした会合を探して、三鷹まで行ったこともある。ボランティアの会の方が我が家まで来てくれたこともある。包括支援センターと繋がったので安心して、その後探すのを中断した。
センター長が熱心な方で、我が家感泣亭で「オレンジカフェ(認知症カフェ)」を行うという話がまとまった。細々ながら2年ほど続いた後、突然センター側から「中止」の話が出た。センター長が替わり方針が変更になったのだろう。職員も大変だったのかもしれない。
ぼくは続けて欲しいと懇願したが、「止める」というものを引き留めることはできなかった。
もう一つ包括支援センターが信頼できなくなる出来事があった。それは、認知症が介護保険の対象になるということを一言も教えてくれなかったことだ。ぼくは、介護保険というのは、寝たきりの人、つまり身体的な介護が必要な人だけが受けられる制度だと思い込んでいた。まさか妻の認知症が対象になるとは夢にも思っていなかったのだ。
もしかしたら、介護保険の抑制という方針があり、その結果だったのかもしれない。
もし家族の会と繋がっていれば、真っ先に教えていただいたはずだ。
しかし、その会の過程で知り合ったOさんが「もう一度やりましょう。包括の手を借りずに」と言ってくれた。このOさんに、妻とぼくは言い表せない程お世話になってきた。(もちろん他の方にも随分お世話になったが・・・・・)
毎週の体操教室に妻を誘い、連れて行ってくれた。ある時は、鎌倉まで妻を連れて行ってくれたこともある。夕食を作って持ってきて下さったことも数限りない。困った時はいつもOさんを頼った。Oさんは我が家の守護神のような方だった。
そのOさんを中心に「のんびるカフェ」が生まれた。「のんびる」とは、妻が勤めていた生活協同組合バルシステムが発行する雑誌の名前だ。妻は、その雑誌の初代の編集長だった。
のんびるカフェは新型コロナが流行する前まで続いた。
写真は、そののんびるかフェの一コマである。認知症の人もそうでない人も一緒の和気藹々の会になった。皆に囲まれて妻もぼくも幸せだった。
認知症の人と家族の会の会合に参加して、神奈川県支部の事務局長の泉今日子さんにお目にかかり、神奈川でも多くの認知症カフェが活動していることを知った。
その認知症カフェの様子が「街角ピクチャーズ」というYouTube番組で紹介されている。
どのカフェも笑顔がいっぱいだ。笑い声が聞こえるようだ。のんびるカフェの昔が一瞬にして蘇った。
「まちかどケア」だれもが暮らしやすいまち、自分らしく暮らせるまちを目指した活動の中で生まれたYouTube番組である。この「まちかどピクチャーズ」は第12回神奈川福祉大賞を授与されたことも付け加えておこう。
ご覧になり、認知症カフェがどんなところか知っていただきたいと思う。

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