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厄日めく空の蒼さや慰霊堂

小山正見

9月1日は「震災忌」であり「厄日」ともいわれる。立春から数えて二百十日目にあたり、台風が襲来することが多い時期でもあるからだ。
今年は、関東大震災の発生から103年を迎える。
関東大震災はM8.2の本震の5分後にもM7.3の余震が追い打ちをかけたという。
死者・行方不明者は10万5千人に上ったが、その9割近くが火災による犠牲者だった。地震発生が昼時で多くの家庭でかまどや七輪の火を使っていたこと、木造家屋が密集していたことも被害を大きくした。
東京都慰霊堂のある横網町公園(旧被服廠跡地)だけで3万8千人以上が亡くなったとされている。
横網町公園に入ると蒼い空に慰霊堂が聳えていた。園内を歩くと震災遭難児童弔魂像が目に入った。犠牲になった児童も5千人に上ったのだ。
復興記念館もある。逃げ惑う人々の写真や資料の数々からは、当時の緊迫した様子が伝わってくる。震災の被害を描いた竹久夢二の貴重なスケッチなども展示されている。
「鮮人襲来」などの流言飛語が飛び交い、混乱の中で朝鮮人や、朝鮮人と誤認された中国人、日本人が殺されたことも記憶に留めておかなくてはならないと思った。
慰霊堂の中に人影はなかったが、祭壇に線香を供え、横網町公園を後にした。
空の色は変わらず蒼いままだった。しかし、いつ大地震が起きても不思議ではない。

都政新報9/1付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」46