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食パンは日本の文化豊の秋

小山正見

朝食は、コメダで取ることにした。写真のようにコーヒーを頼むとトーストとゆで卵が付いてくる。カフェ・オレセットにすると570円だが9枚綴チケットを購入すると400円台で食べることができる。
この厚切り食パンのトーストは、昔ながらの喫茶店のモーニングではおなじみだ。
ところが、このモーニングセットはスターバックスにはない。タリーズにもない。サンドイッチやクロックムッシュはあるが厚切り食パンのトーストはメニューにないのだ。ドトールにはサンドイッチ風のモーニングはあるが、ここにも厚切りトーストのモーニングはない。
どうしてだろうと気になった。
ヨーロッパを見てみよう。フランスではバゲットやクロワッサンが主流だ。ドイツや北欧は、ライ麦などを使った黒くて密度の濃いパンが好まれる。イギリスでは、山型の「ホワイトブレッド」が中心だが、薄く切ってトーストしたりサンドイッチにすることが多いらしい。アメリカやカナダでも、薄切りの食パンが広く食べられている。
どうやら日本の食パンは、イギリスの山型パンをモデルにしながら独特の発展を遂げたらしい。
横浜元町の「ウチキパン」は「日本の食パン発祥の地」と言われるらしいが、一般家庭に定着するのは、1950年代以降だ。学校給食もパンの普及には一役買っている。
喫茶店でのモーニングサービスの始まりには諸説ある。
1961年の広島「ルーエぷらじる」説もあれば、昭和30年代前半の愛知・一宮説もある。
しかし、いずれにしてもふっくらした柔らかい日本的な主食用のパンの生産があってこそできたサービスだろう。
つまり、食パンのトーストを中心としたモーニングは日本独特のサービスであり、文化なのだ。スターバックスにこれがないのは、そう考えると合点がいく。
そう言えば、昔、浅草のミスティで半斤もある食パンを丸ごとトーストしたものが出てきた。外はこんがり、中はふっくら。あの豪快なトーストが懐かしい。

季語豊の秋(とよのあき)[秋]

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