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小鳥網高価買取No.1

小山正見

小鳥網とは、小鳥を捕獲するための霞網のようなもので、今は使用が禁止されている。俳句では秋の季語になっている。
ブレーメン通りに新しい店ができた。「こやし屋」という名の貴金属などを買い取る店だ。
元住吉にこの種の店は四軒目だ。
この場所は昔はブティックだった。長いこと閉まっていたのがようやく開いたらこの店だったというわけだ。
巨大な看板が掲げられ、道のあちこちに宣伝のテッシュを配る人が立っている。相当な力の入れようだ。
ブックオフもこの街にあるが、中心はすでに本ではない。ブランド物の古着もあればアクセサリーもある。
貴金属を買い取る歴史は古代エジプトにすでにあったらしい。
売る方のメリットは手軽に換金できることだ。
ぼくは母に手を引かれて質屋の門を潜った記憶がある。よほど困っていたのだろう。
父が亡くなった後、書斎にある漢籍の本を売ったら数十万円の値が付いた。古本でこうだから、一体どのくらいのお金を投じていたのだろうか。
ぼく自身について言えば、メルカリで数冊の本のやりとりをしたくらいだ。
使っているiPadのキーボードは中古品だし、シャツの何枚かは古着屋で500円以下で買った物である。着られれば何でも良い。中古か否かはあまり気にならない。
買取屋の流行る裏には、ぼくのように「気にしない人の増加もあるだろう」
よく言えば、リユース意識の向上である。もう一つ「もったいない」という意識もありそうだ。使いはしないが、ゴミにして捨てるのは忍びないのだ。
「ただでもいいから誰か使ってくれないか」と思う。それが少額でもお金になるなら儲け物だ。
それでいて、いざ査定されて50円とか100円と言われると、「むっ」としたりする。買った時はは3万円も5万もしたのにとちょっと恨めしくなる。
「都市鉱山」という言葉を聞いたことがあると思う。
日本はいわゆる資源のない国だが、国内に宝は眠っているのかもしれない。
ある試算によれば、金だけで6800トン。世界の埋蔵量の16%があると言う。価格にして30兆円を超える。
レアメタルなども同様だ。
こう考えると、もしかしたら「こやし」が肥料になり、そのうち花が咲くかもしれない。