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紫陽花に頬を寄せたる写真かな

小山正見

梅雨時の花と言えば誰もが紫陽花をあげるだろう。
東急線多摩川駅から近い多摩川台公園に足を運んだ。ここは、斜面が紫陽花苑になっている。薄日の差す梅雨の晴れ間だった。予想以上の人出である。
多いのは、やはり西洋紫陽花だ。青や赤の手毬のような花が微かに揺れている。しかし、日本古来の額紫陽花も負けていない。かつては、白と青の地味な色の取り合わせがほとんどだったが、最近は色鮮やかなものが増えた。品種改良のおかげだろう。
目を見張ったのは額が薄くピンクで彩られた紫陽花だった。真ん中の蕾のような花が宝石のように輝いている。近年は、「隅田の花火」とか「ダンスパーティー」など洒落たネーミングの紫陽花も生まれていると聞く。
スマホで写真を撮っている人もいれば、本格的な一眼レフを構えている人もいる。
見ると、浴衣を着たモデルさんを囲んで撮影会が行われていた。
さまざまなポーズをとり、紫陽花に頬を寄せた姿は、さすがに絵になる。
余韻を味わいながら帰路に着いた。ふと正岡子規の《紫陽花や昨日の誠今日の嘘》という句が頭に浮かんだ。

都政新報6/23付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」37