俳句フォトエッセイ2026.08.02梅雨深し薪で焚きたる湯の温み小山正見【銭湯紀行】その14奥沢 松の湯ネットで調べたら、奥沢駅から2分の場所に銭湯があることがわかった。行ったら、シャッターがまだ閉まっていた。てっきり営業開始を午後3時と思い違いしていたのだ。営業開始は、3時20分。火曜日と水曜日は休みである。近くで時間を潰して、再度挑戦。フロントではなく、昔ながらの番台。靴箱の鍵がロッカーの鍵を兼ねている。ぼくの前にお客さんは一人だけ、そのうちおじいちゃんが一人、若い男が一人。天井も高く広い洗い場で出会ったのは、結局この3人だけだった。浴槽は3つ。それぞれ違ったジェットが楽しめる。横からの吹きつけるもの、足元から湧き上がるもの、渦を巻くように流れるもの。湯の温度は41度と表示されていたが、熱いような熱くないような微妙で不思議な温もりだった。正面の壁の絵は赤富士だ。天井は高く気持ちが良いが、ペンキはうっすらと剥がれかけている。維持をするのは大変なのだろう。一緒に入ったおじいちゃんは、常連らしく、この風呂のことを教えてくれた燃料は重油ではなく薪で、それがなくなると休業することがあるとか、この風呂の持ち主が近くの酒屋らしいとか、固定資産税が大変だろうとか…おじいちゃんは10年前まで大工をしていたので、この風呂屋の燃料のことはよく知ってるという。毎週、月、木、土とここの風呂に来ると繰り返しぼくに語った。これから弁当を買って帰り、一人で食べるのだと話してくれた。「また会いましょう」と言って別れた。
【銭湯紀行】その14
奥沢 松の湯
ネットで調べたら、奥沢駅から2分の場所に銭湯があることがわかった。行ったら、シャッターがまだ閉まっていた。てっきり営業開始を午後3時と思い違いしていたのだ。営業開始は、3時20分。火曜日と水曜日は休みである。近くで時間を潰して、再度挑戦。
フロントではなく、昔ながらの番台。靴箱の鍵がロッカーの鍵を兼ねている。
ぼくの前にお客さんは一人だけ、そのうちおじいちゃんが一人、若い男が一人。天井も高く広い洗い場で出会ったのは、結局この3人だけだった。
浴槽は3つ。それぞれ違ったジェットが楽しめる。横からの吹きつけるもの、足元から湧き上がるもの、渦を巻くように流れるもの。湯の温度は41度と表示されていたが、熱いような熱くないような微妙で不思議な温もりだった。
正面の壁の絵は赤富士だ。天井は高く気持ちが良いが、ペンキはうっすらと剥がれかけている。維持をするのは大変なのだろう。
一緒に入ったおじいちゃんは、常連らしく、この風呂のことを教えてくれた
燃料は重油ではなく薪で、それがなくなると休業することがあるとか、この風呂の持ち主が近くの酒屋らしいとか、固定資産税が大変だろうとか…
おじいちゃんは10年前まで大工をしていたので、この風呂屋の燃料のことはよく知ってるという。毎週、月、木、土とここの風呂に来ると繰り返しぼくに語った。これから弁当を買って帰り、一人で食べるのだと話してくれた。
「また会いましょう」
と言って別れた。