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長き夜の睡眠ログの軌跡かな

小山正見

スマートフォンを枕元に置いて寝る。
ぼくの使っているのはスリープサイクルというアプリだ。
朝になると、寝ている間の自分の様子が波形になって表れる。これが「睡眠ログ」である。寝ている間の音や体の動きを感知して記録するらしい。どのくらい深く眠ったか、どの時間に夢を見ていたかなんてことも示される。本当だろうか。いささか眉唾と思いながら使い始めてからもう10年である。ぼくの手元には10年分の睡眠記録が残っていることになる。
たまにだが、「昨夜はまるで眠れなかった」と思う朝がある。ところが、睡眠ログで見てみると、眠っていたと記録されているのだ。
「なんだ、寝てるじゃん」
と思うと安心して何だか気持ちがシャキッとする。精神的にいい。
最近は、Apple Watchでもこの睡眠ログが取れる。
スマホの睡眠ログとApple Watchの睡眠ログは大きくは一致するが、睡眠の評価が一致しないのは面白い。規則性に重点が置かれると就寝時刻などが得点に大きく影響したりする。
採点の基準はアプリによって様々だ。ぼくには、まだまだ「おもちゃの段階」のようにも思える。
しかし、10年間ログを取り続けるとわかることがある。
コロナの前は、平均して快眠度が70%ぐらいなのだが、コロナ以降は、急激に高くなって、80%を超えている。数字の上ではよく眠るようになったのだ。以前は、0時以降であった就寝時刻がコロナ後は1時間早まっている。一方、一晩30分程度だったいびきが1時間を超すようになっている。
まあ、そんなことがいちいちわかるのも面白い。
しかし、スマホを頭の側に置くと電磁波で脳がやられるという話がある。もしその話が本当なら、10年以上も枕元に置いて寝ているぼくの脳は、相当にやられているに違いない。

この句の季語秋

長き夜ながきよ

「夜長」の言い換えの季語です(傍題)

夜長:秋、夜が長く感じられること。