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鶴亀の戯れてゐる夏の夕

小山正見

【銭湯紀行】その16
東大島 春の湯

歴史のある銭湯なのだろう。見事な欄間彫刻の透かし彫りである。よく見ると鶴亀が戯れている。長寿への願いが込められているのだろう。
江東区の某小学校で俳句の教員研修会を行った。学校が建て替え改装中だったので、仮校舎だった。何度も行って知っている場所なのだが、何となく記憶が曖昧だ。いつものことだが、よく調べもしないで行くので間違えたらどうしようと不安があった。
無事辿り着くと、新しい校長先生が迎えて下さった。副校長先生もここでは初対面だったが、他区でぼくの授業を受けたことがあり、句集『大花野』も読んでいて下さった。
研修会は先生方の能力の高さを感じることができたが、一番嬉しかったのは、ある女の先生の感想だった。
「本当のことを言うと俳句の研修というので、気が重かったのですが、ほらこんなにできました。(俳句を書いた紙を見せながら)とても楽しかったです。」
こんな感想をいただくと疲れもいっぺんに吹き飛ぶ。
帰りは、東大島に出た。「春の湯」という銭湯があると知ったからだ。
春の湯は東大島神社の近く、公園の前にあった。
色々な銭湯を巡ってみると昔ながらの作りには似たものがや多い。
春の湯も天井が高い。壁の絵は今はないが、きれいに青色のペンキが塗られている。
背中にジェットを当てて、存分に風呂の気持ちよさを味わう。
客は近所の常連らしい老人ばかりだ。
研修会といい、銭湯といい、いい一日だった。少し、寿命が延びた気がした。