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俳句フォトエッセイ

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「汚い」をほじくり回し麦の秋

この本の著者は、金田一秀穂である。ご存知のように秀穂は、金田一京助、金田一春彦と三代続く言語学者の三代目に当たる。ぼくは、秀穂と一度だけ顔を合わせたことがある。おーいお茶新俳句大賞の表彰式・祝賀会の席上であった。祖父の金田一京助のアカデミズムと比べると、秀穂の言説はずい分カジュアルであるが、興味深い視点を与えてくれる。この本は、「汚い」日本語講座と題される新潮新書の一冊。発行は、2008年だ。本棚から取り出し、ページを繰ってみる。「汚い」とは何か?を彼は研究室の学生と一緒に探求していく。最初は「汚い」には順序があることを取り上げている。人間の体から排出されるものはだいたい汚い。

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一風呂を浴びたる後の氷菓かな

【銭湯紀行】その11大岡山八幡浴場まだ5月だというのに、夏日!真夏日!先が思いやられる。いったい何処をほっつき歩いたのか、歩数計を見たら一万六千歩を超えている。こんな時は銭湯に限る。近くの銭湯をスマホの検索で調べてみる。ところが「ここがいいな」と思うと休みなのだ。月曜日を定休日にしている銭湯が多いということだ。結局、目黒線の大岡山にある八幡浴場に決めた。大岡山は北口は商店街が続いているが南口は工大のキャンパスと閑静な住宅地が隣り合っている。その住宅街の路地を入ったところに八幡浴場は佇んでいた。小ぶりの浴場だが、熱くもなくぬるくもない湯。温度にすると42度程度だろう。

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青空と東京タワーと聖五月

3日間通って、ようやく五月晴れの東京タワーを捉えることができた。神谷町駅を降り、飯倉の交差点を曲がると目の前が東京タワーだ。今日は雲一つなかった。人出は想像以上だった。外国人の団体が次から次へとやってくる。引率の日本人ガイドの冗談が耳に飛び込んでくる。エレベーターで45秒。展望台に上がる。目の前に東京の高層ビル群が林立している。お台場の海が光っている。この場所にいると東京という都市を丸ごと感じることができるかのようだ。現在では東京タワーの展望台より高いビルも珍しくない。それでもここが人気なのは、未来を信じられた時代へのノスタルジーかもしれない。

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点々と百合の木の花風そよぐ

つい最近まで、百合の木というものがあることさえ知らなかった。まして、そこに花が咲いているとは!考えてみれば当たり前のことだが、想像が及ばなかった。この日はプラタナス、つまりすずかけにもまあるい玉のような花があることも知った。現在、一緒に江東区中学校俳句部を指導しているAさんのおかげである。花や木の名前がわかると句がグッと具体的になる。冒頭の句、子どもたちの句会に一緒に出した句だ。「風そよぐ」が如何にも安易で苦し紛れだ。思い付かなくても、時間の中でとにかく仕上げることが大事という社会通念を優先した形だ。江東区中学校俳句部は2012年に誕生した。ぼくが、俳句担当の職に就いて2年目のことだ。

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薫風やTokyuStoreニューオープン

朝、人だかりに気がついた。「そうか、今日は東急ストアが開店する日なのか」知ってはいたが、今日だったのか。そう言えば、昨日の帰りに電気が煌々とついていたことを思い出した。ここは、川崎信用金庫がある場所だ。ようやく工事が終わり、信用金庫は2階に。そして一階と地下の部分が東急ストアになったというわけだ。東急ストアは東横線の駅にはほとんど入っている。大概は駅直結だ。武蔵小杉にも、日吉にも綱島にもある。元住吉だけは無縁だった。駅の改装の時に出来てもおかしくなかったがどういうわけか出来なかった。それが「ついに」というのがぼくの印象だ。開店を待って長い列が続いている。

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新緑の下なる時間つぶしかな

若干暑いが、それでも5月らしい気持ち良い天気の日が続いている。某小学校での俳句の授業が終わってから、妻の入居しているグループホームに向かった。このグループホームにお世話になってもう5年半を過ぎる。幸せなのは、良いスタッフに恵まれたことだ。病気の進行は仕方がないし、人も選べない。入居に当たってたくさんのホームを見学・比較したわけでもない。運としか言いようがないが、明るくて穏やかで面倒見が良いスタッフがこのホームには大勢いた。しかも、そのスタッフが継続して勤務してくれている。有難いことだと思わざるを得ない。もう一つ良いことがあった。面会がほとんど制限されなかったことだ。

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原宿はつくづくお洒落風薫る

【銭湯紀行】その10原宿小杉湯原宿暖簾からしてお洒落である。ここは、小杉湯原宿。明治通りとの交差点、東急プラザ「ハラカド」の地下一階にある。「こんなところに銭湯が!」と思ってしまう。開店したのは2年前だ。浴室のペンキ画は伝統的な富士山。「ナカジマ 2024.3.28」のサインがあった。この銭湯を紹介していたテレビ番組を見たことがあるので、いつか来てみたいと思っていた。それが、今日というわけだ。前にも書いたことがあるが、ちょうどこの場所に祖父の家があった。父もここで育った。従って、この銭湯は小山家ゆかりの銭湯なのである。お風呂そのものはこぢんまりしたものだ。

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母の日のフレンチトースト母の味

ぼくは猛烈に好き嫌いの激しい子供だった。野菜はほぼ食べないし、卵は黄身だけ。お肉の脂身も残した。当時はまだ安かった鰻でさえ、皮の部分は取ってもらった。そんな様子だったから、学校の給食は当然大の苦手。ところが担任の先生が厳しく、給食を残すことを許さない。掃除が始まり、休み時間が始まっても、教室の角で一人残され、涙を流しながら給食と格闘した。ところが、そのぼくが教師になった。クラス会に行くと、「おい、小山!給食はどうしているんだ」と必ずからかわれた。今も好き嫌いはなおらないが、何とか生きている。母は料理は得意ではなかったらしい。

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百均と呼ばれし店のしゃぼん玉

元住吉にあった住吉書房がなくなってから1年半ほどが経った。1階には、ドラッグストアがすぐに入った。しかし、2階は開いたままだった。そこにようやく店が入った。Seriaである。ぼくは知らなかったが、大垣に本社がある「百均」の店だとわかった。全国に2000以上の店舗を持つという。元住吉には文房具屋もないが、百均に行けばだいたいの事務用品が揃うので安心である。ワインパーティを企画した時、ワイングラスをどうするか悩んだ。「まさか、紙コップというわけにはいかない」。そこで思い浮かんだのが百均だ。1つ100円のガラスのワイングラスが売られていたのには、感激した。

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母の日や母似の人と恋に落ち

私事で恐縮だが、私の妻になってくれた人は、背の高さも体型も母にそっくりだった。そのことに気がついたのは、結婚して何十年も経ってからだ。母とは、必ずしも仲が良かったとは言えなかったが、母への憧れが、いつの間にか身に宿っていたのだろう。気がつけば、母の日である。花屋に行くと、カーネーションの花束がきれいにラッピングされている。デパートの母の日フェアには若い男性の姿も目に入る。母の日は、母に感謝する日を作りたいと願ったアメリカ人女性アンナ・ジャービスの運動から生まれた。日本に伝わったのは、大正末期らしいが、当初からデパートの販促活動と結びついていたようだ。