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俳句フォトエッセイ

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街なかに本物の森梅雨晴間

大手町は、丸の内線や東西線など5路線の地下鉄が乗り入れ、地下の通路は迷路のように入り組んでいる。その間に飲食店が軒を連ねている。歩いていると自分がどこにいるのかわからなくなるほどだ。今日は梅雨の晴れ間だ。太陽を仰ぎたくなって地上に出たら、なんと森があった。「大手町の森」と洒落た看板がある。単なる緑地ではない。。草が生い茂り、木々が鬱蒼と茂る本物の森だ。この森ができたのは、2013年だという。地上38階建の大手町タワーの敷地の3分の1に当たる3600㎡を森にしようと計画された。

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年輪を重ねて回る走馬灯

写真の中央は、高野榮一先生である。ぼくは、港区の笄小学校で出会った。社会科のエキスパートであるが、校長先生としてぼくは尊敬している。鷹揚に職員の活動を見てくださり、決断する時は断固としておられた。ご一緒したのはたった一年であるが、その後の付き合いは長い。校長先生方の会に呼んで下さったり写真展のご案内をくださったりした。今年も我が家に近い武蔵小杉でグループ展が行われたので、先生が当番の日を狙って出かけた。「今、おいくつですか?」と伺ったら「90だよ」顔の皺には人生の年輪が刻まれているが、とてもそのように見えない。ぼくより一回り上だ。

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燕湯や燕飛ぶ飛ぶ燕飛ぶ

【銭湯紀行】その15御徒町燕湯三郷の日だった。認知症のデイサービスで利用者さんと俳句を楽しむ日だ。面白い俳句ができる。もう少し食べたいものは揖保乃糸食べるならうどん屋さんのかき氷この辺のかき氷ならあそこだな田舎には田舎の味のかき氷帰りの電車が寒い。最高気温が23度というのに、冷房ががんがん効いている。長袖を2枚重ねているのに冷気が染み渡ってくる。どうにかならないものか。冷え切って風邪をひく前に「風呂で温まろう」。そう考えて銭湯を探した。千代田線、湯島駅から歩いて5分の場所に燕湯がある。「今日はここにしよう」。位置としては、御徒町の松坂屋より、少し秋葉原に寄ったところだ。行ってみて驚いた。

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紫陽花を門柱として山の寺

恒例の鎌倉吟行である。台風が接近しているとあり、実施できるのか多少の心配はあったが、とにかく鎌倉に向かう。8時からはサッカーW杯日本・スエーデン戦がテレビである。電車の中でスマホで観戦。同じ格好で見入っている人もいる。台風のせいか、鎌倉駅前もいつものような人出ではない。運よく雨も止んだ。今日の目的地の一つは妙法寺である。日蓮が鎌倉で布教を始めた草庵があることで有名だ。お寺は、緑の山に隠れんばかりだ。山々を借景として夏の寺入口で拝観料を払うと線香を一本渡された。線香を立てて合掌蓮の花境内にはさまざまな花が咲き乱れている。ここも花の寺なのだ。

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アカシアのロールキャベツや夏祓

6月30日。今年も半分が終わる。この日に、全国の神社で名越の祓が行われる。半年間の穢れを祓い、続く半年を無病息災で過ごせるように願う神事である。俳人の深見けん二は《三味線の稽古にはげみ夏祓》と詠んでいる。ぼくの場合は何だろうと考えて、冒頭の句となった。1年ほど前の夏だった。学生時代から通っている懐かしい新宿のアカシアにいつものロールキャベツを食べに行った。ドロドロした何とも言えないスープに何の肉かよくわからないロールキャベツが二つ浮いている。50年前と店も料理も変わらない。今でも人気らしく行列ができている。1250円。値段だけは高くなったが、他は昔のままだ。ところがその日、異変があった。

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噴水の瞬くうちに立ち上がる。

東京駅の中央口から歩いておよそ7分ぐらいだろうか。木造風の橋を渡ると和田倉門の跡だ。その向こう側に噴水公園がある。1961年に当時の皇太子(現上皇陛下)と美智子さまのご成婚を記念してつくられたものだ。さらに今上天皇のご成婚の機に大噴水やせせらぎなどが整備され、現在の姿になった。知ったきっかけは、NHKの「ドキュメント72時間」である。番組では、ここを訪れる人の人間模様がさまざまに描かれていた。番組の目の付け所の良さに唸ったが、ぼくも行ってみたくなった。後ろを振り返ると丸の内や八重洲の高層ビル群だが、目の前には皇居前の松林が広がり、その間から富士見櫓が見える。

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梅雨深し薪で焚きたる湯の温み

【銭湯紀行】その14奥沢松の湯ネットで調べたら、奥沢駅から2分の場所に銭湯があることがわかった。行ったら、シャッターがまだ閉まっていた。てっきり営業開始を午後3時と思い違いしていたのだ。営業開始は、3時20分。火曜日と水曜日は休みである。近くで時間を潰して、再度挑戦。フロントではなく、昔ながらの番台。靴箱の鍵がロッカーの鍵を兼ねている。ぼくの前にお客さんは一人だけ、そのうちおじいちゃんが一人、若い男が一人。天井も高く広い洗い場で出会ったのは、結局この3人だけだった。浴槽は3つ。それぞれ違ったジェットが楽しめる。横からの吹きつけるもの、足元から湧き上がるもの、渦を巻くように流れるもの。

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台風来黒光りするアスファルト

この時期に2つの台風が関東に接近するのは珍しいのではないか。施設によっては土日の二日間を閉館とするところもある。追い討ちをかけるように、夜には大きい地震が起きた。それも震源地が富士山に近いとなると、「何かあるのではないか」と心配になったりする。ぼくの台風の記憶の最初は、多分昭和34年の伊勢湾台風である。矢上川が決壊し、我が家も水浸しになった。床下浸水程度である。水の中を下駄を履いて遊び回った。当時、各家庭のトイレは組み取り式だったはずだ。汚穢が流れ出し、不潔極まりなかったはずだ。今考えるとゾッとする。時代が飛んで、学校の管理職になってからの記憶。毎年の台風時の対応に苦慮した。

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梅雨寒や町になくてはならぬ店

ふと見ると家の近所のファミリーマートが閉まっている。一瞬、撤退したのかと思ったが、当然そんなわけはない。改装中で、7月の初めには開店するようだ。ファミリーマートになる前は、お洒落な雑貨屋だった。フライパンなどの調理器具がある一方で、部屋を飾る装飾品など品揃えも豊富だった。客も多かったようなのに突然閉店になった。その前は昔ながらの荒物屋だった。おそらく雑貨屋の父親がやっていたのだろう。所狭しと大工道具や箒などが並べられていた。店主の手には指がなかった。子どもの頃はわからなかったが、今考えると、戦争の犠牲者だったのかもしれない。そして今はコンビニというわけだ。

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色を増す源兵衛川のカンナかな

八名川小のカンナも見事だったが、三島の源兵衛川のカンナは更に見事だった。加藤学園での授業の3回目が終わった。最後の授業は「俳句フォト」だ。各自に写真を用意してもらい、それに俳句をつける。俳句フォトは、俳句初心者にはぴったりの俳句制作法である。写真には、必ず「題材」が写っている。だから初心者でも「見えたものを詠む」ことから始められる。しかも、写真を撮った瞬間の驚きや感動が残っているので句の焦点も定まりやすい。しかしさすが高校生、言葉のチョイスがなかなか良い。コンクールに入賞できるのではないかと思われる作品もちらほら。この日は楽しみがあった。ぽん友のSと三島で会うことになっていたのだ。